広報8月号 地域おこし協力隊トークセッション企画

おおたまいどばた会議 with 地域おこし協力隊

「新人地域おこし協力隊、村の先輩に聞いてみた!」 担当:遠藤愛佳

広報の紙面に載せきることができなかった部分を含めた拡大版!
トークセッション中の空気感や、お人柄がより伝わる内容になっています。全5回、異なる空気感を感じていただき、楽しんでいただけたら幸いです。

● 対談者

marche’un village から
八巻美樹さん(写真左)
・大玉村出身
・村内で美容院LAULE’Aを経営

小林ひとみさん(写真右)
・福島県二本松市出身
・幼少期に家族で大玉村に移住
・現在も村内在住


● 簡単な内容

「にじいろマーケット」として10年間続いた地域おこしのためのフリーマーケットが、2022年から「marche’un village」というマルシェに生まれ変わりました。

小さな村のお洒落なマルシェの誕生秘話や、にじいろマーケットからマルシェに生まれ変わったことでの変化・受け継いだことなどを深掘りしていきます!


● 目次



―「にじいろマーケット」から「marche’un village」へー

地域おこし協力隊・遠藤愛佳(以下遠藤):marche’un village(以下:マルシェ)の先駆けとなった、にじいろマーケットについて教えてください。

八巻さん:にじいろマーケットは村の人たちが集まり始まったフリーマーケットで、年に1回の開催を10年間続けました。

遠藤:始めたきっかけは何だったんですか?

八巻さん:村の中で楽しめる場が欲しいということで、地域活性化・地域おこしのために始めました。

始めた当初メンバーは皆子育て真っ最中だったし、それぞれ他の仕事をしているし、地域おこしを目的にしているから利益を目的にせずノーマネーだし、そんな様々な状況がありました。そんな中でも、”村の中で楽しむ場をつくろう”という思いをみんな持っていたのでにじいろマーケットが成り立っていました。

遠藤:10年間、しかも皆さん多忙な中で続いてきたのは、地元愛があるからですね。私は移住してきてまだ半年も経ちませんが、大玉村は地元愛を強く持っている人が多い地域だなと多くの場面で感じています。

八巻さん:そうですね。村の中で楽しめる場を自分たちで作ることで、子どもたちにも自分の地元は楽しい所だと感じてもらって更に地元を好きになってほしいなと。

遠藤:私は地域おこし協力隊として外から来ている身ですが、地元の人たちが自分たちの手で地域を活性化させていくことが1番重要だと考えているので、にじいろマーケットはまさに地域おこしの理想の形だなと思います。

最初の成り立ちをお聞きしましたが、10年間続いたにじいろマーケットからマルシェに移行したきっかけは何だったんですか?

八巻さん:10年続けてきて、ここらで若い人を交えてみたらどうかとなって。

小林さん:郡山、福島とか他の地域ではお洒落なマルシェが沢山あるから、村でもお洒落なマルシェがあればいいなと思っていて。それで一緒にやろうということになって。

名前もロゴもマルシェ全体の雰囲気もお洒落にこだわった今まで村になかったマルシェにしてます。村に移住者や子育て世代の転居が増えて、自分の幼少期とはだいぶ村内の人や環境が変化しているから、それに合ったマルシェにすることでより多くの人が楽しめるかなと。

遠藤:新しい風ですね。元のにじいろマーケットからマルシェに移行することで大きく変わったこと、変わらずに受け継いだことは何ですか?

八巻さん:変わったことは、情報発信の方法ですね。

前は紙の書類を準備して郵送してっていうやり方で多い時は80もの出店者さんに向けて対応していたのでかなり大変で。でも今はインスタグラムを通して情報発信や連絡をするようになったのでかなり簡素化できて、若い人が入ってきたからこその良い変化だなと。

小林さん:変わらないことは、コミュニティですかね。人との繋がり方や広がり方は今までと変わらないです。マルシェの出店者は大玉村内だけに限らず郡山や福島など県内多数の地域から集 まっているので、普段は出会えないようなお店や人とも繋がりが生まれる機会でもあります。

八巻さん:あと、多様性を大切にするという部分も変わらず軸にあります。主催側のメンバーも異なる業種が集まっていますし、出店者さんも飲食からマッサージまで幅広いジャンルが揃っていますし、福島市の就労継続支援B型事業所の出店もあります。それぞれ異なる活動・活躍をしている人が集まっているからこそ、自由に多様な楽しみ方が出来る場になっています。



―マルシェのロゴ―



遠藤:話は変わって…マルシェのロゴは、どのように決めましたか?マルシェの名前が円になっててお洒落で素敵だなと思うのですが、何か意味合いを持たせているんですか?

小林さん:完全に見た目ですね(笑)お洒落なマルシェにするから、ロゴもお洒落にしようと色々考えて。

八巻さん:でも本当に、こだわったよね。色々考えて

色々なデザインを作って、代表の(石塚)裕子さんとも何度も意見交換をして。とにかく皆が納得いくデザインにしようとしたから、全然決まらなかったよね。

小林さん:何種類も作ってデザインを選んでいくなかで、シンプルでいこう!という結果に行きついて。それでシンプルなロゴデザインを作ったらそれがハマって。

今思うと、「輪」の感じがマルシェのコンセプトにもピッタリな感じがします。

八巻さん:「輪」とか「コミュニティ」とか、繋がりでどんどん広がって生まれていくマルシェだから、その「繋がり」を表現するデザインになっているなと。

遠藤:「輪」「繋がり」いいですね!私はまだ1回しかマルシェに参加していないですが、マルシェからその雰囲気を感じていたので、ぴったりなロゴだなと腑に落ちました。
おしゃれ×繋がりですね!

八巻さん:実際に繋がりが繋がりを呼んでっていう出会いがたくさんあって、マルシェで”ポセミン”のキャラクターグッズを販売していた松本ゆいさんとは村内の森の民話茶屋で偶然出会って繋がりができて、その後出店者として関わってもらうようになって。それで松本さんから(地域おこし協力隊の)小川さんの話が出たことをきっかけに、大玉村地域おこし協力隊とマルシェとの繋がりが生まれたんですよね。

小林さん:私は小川さんとはマルシェ出店者の郡山のコーヒー屋さんから話を聞いて紹介してもらったっていう繋がり方で。

遠藤:村の中でじゃなく、村外のルートから繋がっていたんですね(笑)
まさにマルシェで生まれた繋がりが次の繋がりを呼んでいますね。

小林さん:地域でマルシェを開催する上では自分たちの周りの人だけではなく、村で大きな機能を持つ役場との繋がりも大切になってくると思っているので、役場とも地域の方々とも情報を密に共有しあえる立場の地域おこし協力隊が仲間に入ってくれるというのは、いい影響があるのではないかと思います。




―地域おこしのためのマルシェ、天敵は雨?―

遠藤:昨年と今年5月の開催で2度マルシェを大成功で終えていますが、開催にあたって困難だと感じたことや浮かび上がった課題など、ありますか?

八巻さん:そうですね・・・それでいうと会場の関係で雨天中止にならざるを得ない点が大変です。

遠藤:大玉村の中でマルシェや集客イベントを開催するとなると会場は直売所前のふれあい広場が良いですが、開放的で広々使えるメリットの裏には雨天時には延期・中止になってしまうデメリットがありますよね・・・。

八巻さん:それで1回目は苦労しました。1回目の開催日(昨年10月)が雨予報で、どうにか開催したかったけど、出店する飲食店さんの仕入れや仕込みを考えると当日雨が降ったから準備してもらったけど開催できませんという訳にはいかないので、開催は見送ろうと泣く泣く決定して、出店者さんに連絡をして。でも結局開催するはずだった日は雨が降らなかったんです。

遠藤:結果的に降らなかったんですね。沢山準備をしてきた中で泣く泣く断念した分、余計悔しいですね。

小林さん:どう動くかわからない天気に左右されてしまうことが屋外を会場としているマルシェ開催の中で難しいと感じることです。
村の中に屋根付きのイベントスペースがあると、天気に左右されずに楽しめるんですが。

遠藤:それでその第1回目になるはずだった10月の開催日が延期されて、昨年11月に無事最初のマルシェが開催されたんですね。

小林さん:天候による開催延期で当初予定していた出店者さんの都合が合わなくなってしまい出店者数が大幅に減ってしまいましたが、無事に第1回目のマルシェを開催することができました。


―これからのmarche’un vilage


遠藤:第3回、4回とこれからもマルシェは続いていくと思いますが、これからの村におけるマルシェの在り方など、理想の形はありますか?

小林さん:そうですね、老若男女楽しめる場になるといいなと思っています。

八巻さん:来てくれたお客さんはもちろんですけど、出店者さんも主催側のスタッフも、関わる人それぞれ皆が楽しめる場でありたいですね。

小林さん:目的や軸はありますけど、楽しいと思えることが続けていく上でなにより大事なことなので、自分自身も楽しく続けていきたいです。

遠藤:私もこれからのmarche’un village、とても楽しみにしています!今日はありがとうございました!





―対談を終えて―


協力隊遠藤は、地元の人が自分たちの手で地域おこしをすることが最も理想的な地域の在り方だと考えていますが、にじいろマーケットそしてmarche’un villageはまさにその理想形だと感じています。

外から来たよそ者からすると、既存のコミュニティに歓迎してもらえるのか不安に感じることもありますが、marche’un villageのコミュニティはその不安を一撃で吹っ飛ばしてしまうほど開けていて自由さを感じられる場です。

その裏には立ち上げから10年間このコミュニティを育て守ってきた村の先輩たちがいる有難さも垣間見えます。




―最後に・・次回開催に向けてのメッセージ―


次回のmarche’un villageは9月18日(月・敬老の日)

開催予定です!(※雨天中止)

美味しいものを食べて、おしゃれなお店でショッピングをして、マッサージやヨガでリラックスして。気軽に来て気軽に楽しんでくれたら嬉しいです。

9月18日、お楽しみに!



前回開催の様子や出店者情報を掲載。次回のお知らせもここからチェック!

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